【購入】団体信用生命保険とは?
今回は、「団体信用生命保険」についてご説明をしていこうと思います。
住宅ローンと密接に関係するこの「団体信用生命保険」ですが、不動産会社や銀行で住宅ローンについての具体的な相談をするまでは、聞いたことがないという方も少なくないのではないかと思います。
以前、この記事[持ち家?賃貸?住宅購入をするメリットとは?]でも軽く触れています。
この記事でも書いているように私は団体信用生命保険は住宅を購入するべき大きな理由の一つと考えています。
団体信用生命保険について解説!
住宅ローンに「付いてくる」?
団体信用生命保険とは、住宅ローンの融資を受ける際に加入することになる生命保険です。略して団信とも言います。
加入することになるといっても、基本的には別途で保険料がかかるというわけではなく、住宅ローンの金利(利息)に保険料が含まれているというイメージです。
一部の住宅ローン商品では「団体信用生命保険なし」を選択できるものもありますが、原則的には住宅ローン=団体信用生命保険に加入するという事です。
どんな保険かというと、まずベーシックな内容で説明すると、住宅ローンの名義人が死亡した(高度障害になった)場合に、その時点の住宅ローン残高が0円になるというものです。
これはその時点での残債が2,000万円あれば、2,000万円の保険金が支払われるのと同じことです。
例えば、私が亡くなってしまった場合、家族は私の財産を相続することができますが、相続はプラスの財産だけではなくマイナスの財産(借金など)も相続することになります。
住宅についてもこれは同じですが、団体信用生命保険により住宅ローンの残債が0円になれば、家族は家にそのまま住むことが出来る上に住宅ローンの支払いはしなくて良いことになります。
団体信用生命保険の種類
住宅ローン名義人が死亡した場合に残債がゼロになるという内容で説明をしましたが、団体信用生命保険には種類があります。
最近では団体信用生命保険の手厚さを売りにする金融機関もあり、住宅ローンを検討する際には無視できない内容になっています。
「ガン保障付き」というものは、死亡・高度障害とさらにガンと診断確定された場合にも住宅ローン残高が0円になるといった内容です。
(通常のガン保険のように90日の待期期間や、上皮内がんを除くなどの条件があります。)
「ガン保証付き」よりも更に内容が拡充されたもので「三大疾病保証付き」(脳卒中・心筋梗塞)や「10大疾病保証付き」などと言ったものあります。
こういった保証内容の充実したものは、借入金利に+0.1%や+0.2%で加入を選択するものが多いですが、一部の金融機関では最優遇金利の中にそこまで含まれているというものもあります。
ちなみに金利0.1%の差は月々の支払にするとどのくらいかというと…、
借入額3,000万円・35年返済で約1,400円程度
借入額2,500万円・35年返済で約1,200円程度
このくらいの差になります。
加入の条件などは?
団体信用生命保険という名称の通り、生命保険に加入する際と同じような保険の告知が必要となります。
金融機関により若干内容は異なりますが、告知の時点で「通院していたり薬を服用しているものがあるか」や「3年以内に入院や治療や投薬を受けたか」、「障害や手足の欠損はないか」などの告知が必要となります。
また告知の内容によっては、追加で直近の健康診断の結果を提出や、おくすり手帳の提出を求められる場合があります。
もちろん持病などがある場合でも問題なくクリアというケースもあります。
これまで私の経験から言うと、命に関わる病気や精神疾患などでなく、治療・投薬をしていれば問題なく仕事や日常生活が出来るような場合はクリアできると思います。
過去の実例を挙げると、高血圧の方で定期的に通院(薬の処方)をされている方で、服薬の結果血圧が安定している方はその事を告知した上で問題なく団体信用生命保険の加入ができました。
通常、団体信用生命保険の告知は、住宅ローンの本審査の時に行うことが多いですが、健康面に不安がある方は事前審査の前の段階でも団体信用生命保険の告知(審査)だけを行うこともできますのでご相談ください。
また、「がん保障」や「三大疾病保証」などは年齢制限がある場合が多く、健康な方であっても満49歳までしか選択することが出来ない場合もあります。
加入が出来ない場合は?
団体信用生命保険の告知(審査)に通らない場合、残念ながらその金融機関の住宅ローンを利用することはできません。
「住宅ローン=保険の加入」と上で書きましたが、保険の加入もまた住宅ローン融資の条件になっているのです。
そういった場合に住宅金融支援機構が提供する「団体信用生命保険なし」の住宅ローンを選択するケースが多いです。
当社でも住宅金融支援機構の住宅ローンをご紹介することが出来ますので、こちらもご相談ください。
まとめ
団信と考える住宅ローン
別の記事で、住宅ローンは審査の結果によって利用できる金利が変わる場合があるという事を書きましたが、住宅ローンに付いてくる団信によっても金利を上乗せする場合があります。
特にガンは日本人の2人に1人が一生のうちに1度はなるとも言われているので、月々の負担が少し増えてしまう場合でもガン保証付き団信は検討に値すると思います。
当社では住宅ローンの返済シミュレーションを作成する段階から、団信についてもご説明し、加入を想定した金利でのシミュレーションも作成いたしますので、これから住まい探しをする方はお気軽にご相談ください。
住宅ローン=保険
保険というと、掛け捨てや積立型という言葉を聞いたことがあると思いますが、住宅ローン=団体信用生命保険は最後にマイホームが残るので掛け捨てではない保険と言えます。
この記事の途中で「残債が2,000万円なら2,000万円の保険金を受け取るのと同じ」という書き方もしましたが、これは別の言い方をすると、「月々75,000円の住宅ローンなら、残りの期間毎月75,000円受け取るのと同じ」とも言えます。
保険の商品で収入保障型と呼ばれるものと同じような考え方になります。(収入保障型の保険は掛け捨てしかありません。)
これが住宅ローンに付いてくると思うと、こんなに割の良い保険商品はないのではないかと思います。
団体信用生命保険って素晴らしいですね。